着信アリ!携帯にまつわる怖い話

2003年12月初版のコンビニコミック。所謂映画『着信アリ』公開前の宣伝を兼ね
たコミック。映画はこの後まぁまぁのヒットだった記憶があるが…。
タイトルに「携帯にまつわる〜」とあるのに、携帯にまつわる恐怖コミックは前半と最
後の『着信アリ』(冒頭のみ収録)だけであり、途中から『都市伝説』コミックになっ
ている。この辺りは『?』であるのだが、多分ページを埋めるための苦肉の策なのだろ
う。よくいえば、盛り沢山ともいえるが、散漫な印象の方が強い。
ちなみに作品の原案に携帯サイトの投稿から引用しているものがあるらしく、巻末にき
ちんとその旨が記載されている。当たり前の事だが、これが出来ない本もあるのだから
世の中恐ろしい。


前半『ほんとにあった携帯にまつわる怖い話』は実話風のコミックである。この辺りに
例の投稿が使用されているのだろうか?内容は「よくある話」であるが、コミック部分
は結構読める。色々と突っ込み所(話の矛盾とか)もあるが、割り切って楽しむ分には
問題ないだろう。怖くはないが。


後半の『怖い噂話 都市伝説コミック』はまんま都市伝説を元ネタにしたもので、内容
もそこまで悪くない。有名な話がそのままに近い状態(オチが少し改変されていたりす
るが)で描かれている、というのが良心的だろう。都市伝説だ、と明記しているのだか
ら。一部に宇和島通氏の『怖いCD』が原作で使われているらしいが、どのパートかは
分からない。


最後『着信アリ』コミックのサワリだけ掲載されている。本当にサワリだけなので、ほ
とんど意味がない。続きはコミックを買え!ということらしい。商売上手だこと。
出演者が語る怪現象もあるにはあるが、ほとんど実のない話なので読まなくてよし。
ちなみに『着信アリ』に関しては、秋元康氏の「流行りものは積極的に取り入れて、い
っちょ儲けたろかい」的な姿勢がありありなのが、どうにもこうにも…。業界は怖いと
ころである。こういったJホラー映画業界もそろそろ次のステップに行かないといけないのではない
だろうか?『リング』『呪怨』風のものはもう飽きた。ハリウッドで受けたのは一過性
のものに過ぎない可能性があるのだし、そろそろ新しい血を入れる時期なのかもしれな
い。Jホラーなどという土着的なホラーにおんぶにだっこでは、先はないだろう。


実はこのコミック買った理由は、たった1Pの為である。念のため。