ビーケーワン怪談大賞のこと2。

本日が締め切り日ということもあって、一気に投稿が増えました。
うーん、これは凄い。


第一回と第二回の選評を読むと
・こわいもの
・文学的なもの
など、怪談大賞らしいポイントで選ばれています。


『幾つも送らず、二つくらいを送れ』という意見もありました。
正論かと思いますが、「数を送ることによって、その書き手の本質が浮き彫りになる」
ような気がしますので、数を送るのも正解ではないか、と思うのです。


しかし、今回は粒ぞろいですね。
創作怪談として素晴らしいものや、実話怪談としてレベルの高いものがあって、
読み手を飽きさせません。
中には「実話怪談を小説の手法」で書いたものがあったり、実験的な表現をしたり
と実に興味深い作品が多いのも特徴でしょう。
(そういえば、投稿作品の中には、取材をして執筆・投稿しているような作品もある)
これは選ぶ方も大変ではないでしょうか?


第三回は、更に
「読み手を楽しませる事ができる作品」
というのが重要なポイントになるのではないでしょうか?


ここから、新たな怪談の書き手が現れる予感がします。


発表は8月10日!
楽しみに待ちましょう。
……で、どの作品が面白かったか語り合う掲示板とかあるといいんですけどね(笑)。


8月2日追記:なな、なんと!応募総数は百三十二編!
百物語をやってもお釣りが来ます。
第一回の頃から比べると、参加人数は確実に増えているのですねぇ。
中には「(いい意味で)反則」呼ばわりされている方もいます(笑)。


8月5日に選考、8月10日に発表、ということなんですが……。
(受賞者は5日に決まるはずなので、先に連絡とはあるのかしらん?)


今回、応募作をBlogにリアルタイムで掲載するという面白い試みがされています。
コメントやトラックバックなどの機能を活かす事が出来たら、もっと面白い事になるのか
も知れません(今回はトラックバックを使用された方はいましたが、コメントなどは特に
活かされなかったような)。


でも、こうしてBlog掲載分を選考委員の「福沢徹三氏」と「加門七海氏」のお二方(東雅
夫氏も?)が、毎日楽しみに読んでいたらしいので、下読みはすでに終わっているのかも
知れませんね。
ほら、流石に一日で百三十二編をその場で読んで選考とかは時間がかかりますから。


選考といえば、どういった方向性で選考されるのか気になるところ。
創作・文芸として選考すれば、もちろんそれに見合った怪談が受賞するでしょう。
逆に、実話怪談としての側面を強調したものを選ぶのなら、選考結果は全く違うものにな
るでしょうし。当然、両方のバランスが取れているもの、という手もあります。


読んでいると、創作・文芸に重点を置いている方々は「ディテール」を大事にする傾向が
あるようです。正に文芸的な表現をするには必要不可欠でしょう。
逆に、実話怪談スタイルの人は「余分な部分を削れるだけ削って、怪異や怖いポイントを
強調する」事に心血を注いでいるように見えます。


ここで問題になるのが、選考の内容。
文芸としての側面を評価する場合、意図的にその部分を削った実話怪談スタイルの作者に
は不利な状況です。逆に「実話怪談」に固執すると、文芸表現に心血を注いだ作者にとっ
ては、文句の一つも言いたくなることでしょう(創作ありなのですから)。
まさに難しい選考です。


選考委員の方々は苦労されることでしょう。
頑張っていただきたいものです。


そうそう。
折角「メディアファクトリー」「幽」が関係しているのですから、大賞作を掲載だけでは
なく、書籍化や新しい怪談作家を育てる為の何か企画も欲しいところですねぇ。
「幽」で連載とか、怪談叢書シリーズとか……。って無理か(笑)。
けど、新人を育てる何かがないと、このまま衰退しそうな……。