ぶるる

「全日本心霊ミステリーツアー情報ブック 旅ホラー ぶるる」が正式名称。
ツアコン裏ネット委員会:編ということで、ライターの名前は出てこない。
あの(わはは)フランス書院発行で「GOKURAKU NAVI」シリーズの一冊。
かなりC級の香りのするムックだ。


「怪奇ツアーガイド」とまえがきにあるのだが、その名のとおりではある。
現役のツアコン(ツアーコンダクター)・プロテン(プロ添乗員)の座談会や体験談がメイ
ンで、それに心霊関係のコラムや心霊スポットガイド、学校の怪談、芸能界の心霊ゴシ
ップ、ブックガイドなどが入る…といった按配だ。もちろん、エロと絡めたりヨタ話っ
ぽいものがあったりと、その辺りは流石フランス書院(笑)、抜かりはない。それにし
ても、盛り沢山である。
今ふと思ったのだが、この盛り沢山感は「幽(メディアファクトリー:刊)」に通じる
ものがある。所々が何か似ている…、様な気がしないでもない。


実際、この「ぶるる」は結構真面目に作った事がひしひしと感じられる。
一部のヨタ話や手抜き部分を取り除いて、ブラッシュアップすれば、そこそこ読める代
物になったはずで、実に惜しい。「ツアコン話」は結構面白かったし、心霊スポット突
撃ツアーも中々。本当に惜しいのである。
「〜委員会」というパターンは、執筆者が前に出てこないので、多少の手抜きが許され
る、といった部分が大いに関係していると思う。
2000年に出たムックであるから、心霊ブームに乗って出された事は分かるのだが…。
えらく頑張っている部分と手抜きしている部分の温度差が激しすぎ。
「とりあえず出しちまえ」という事だったのだろうなぁ。
5年後の今、この「(怪談流行っているから)とりあえず出しちまえ」という出版社の
体勢が復活していると思うのは私だけだろうか?


よほどの心霊ゴシップ好き以外にはお勧めできない「ぶるる」。
今となっては古書店で探さないと読むことは出来ないが、物好きな人は探してみよう!
ちなみに「ぶるる2」の話は聞いた事がない…ぞ。


追記:この「ぶるる」、「日本の七不思議」さんのところから体験談の転用もあったらしい。
ネット上の著作の転載に関して軽視されていた時代のことであるが…。