魔界 接触編

イデの力か!?いやいや違う。
学習研究社から出た『サイト妖怪王特別編集 怪異・妖怪体験録 魔界 接触編』とい
ういわば『実話怪談モノ』書籍の事である。
山口敏太郎氏のサイト「妖怪王」に集められた体験談からセレクトされた怪談集である
本著は、2003年8月が初版。2年後の今取り上げるものなんだが、とりあえず…と
いう事でご了承いただきたい。


やはりこの書籍も『ネットで公開したものの再編集本』ならではの質の悪さがある。
怪異のあった地方を明記したりするのはいい試みだが、いかんせん編集が悪い。
フォント弄りをしたりする暇があったらもっと読みやすくする努力はすべきだ。
素人の文章をそのまま(とはいえ多少の誤字脱字くらいは修正しているようだが)載
せることによって、凄まじく読みづらいのである。文体を統一しろとは言わないが、
最低限のリライトをしてもよかったのではないだろうか?『それだとあったままを公
開することにならない』ということだろうか?否。リライトする=虚構を加えるでは
ないのだ。山口氏もプロがリライトする意味を知らないわけではあるまい。
それが嫌なら、こうして書籍にせずにサイトでまとめページを作った方がいくらか有
益である。もちろん、無料公開の方向で、だ。その程度なら文句はない。
多分、著者はこの書籍が売れなかった理由を分かっていないのだろう。


また、意味のない物が多数収録されている。
最初の口絵*1に最後のサイト*2紹介。あれはいただけない。


現代の妖怪をまとめ、実話怪談として世に出す事は他の方がすでにやったことなのだ
から、山口氏ならではの書籍にすべきだったのではないか?決して先駆者ではないの
だから、挑戦者として戦うべきだったのではないか?
方向を見誤られなければ、良い書籍になったかもしれないことが、悔しい。



オマケ:何でもかんでも廃棄物や妄想呼ばわりしない方が(以下検閲)。


*1:これを削ればもっと安く出来ただろう。それに、正直要らない。

*2:良く見ると、山口氏の関係者のサイトが多い。