心霊写真
2005年6月に増補版である「心霊写真 不思議を巡る事件史」が出たので、紹介する
のいいタイミング(笑)、ということで感想です。
最初に出た「心霊写真」(宝島新書版)は2000年の2月24日が第一刷発行日になっ
ている。それから5年と少し経った今、遂に増補版が刊行された。
どの辺りが「増補」がというと、「補章 新世紀の「心霊写真」」と、参考資料部分、文
庫版あとがき…と言ったところだろう。
2000年以降の心霊写真・映像についての増補がメインであろう。
さて、この「心霊写真」。
小池雄彦氏の著作だが、実話怪談ではないのである。
何かと言うと、「日本で起こった心霊写真事件史をまとめたもの」だ。
怪奇探偵らしい細やかな研究資料に仕上がっているので、実に面白い。
色々な心霊写真関係の研究書に引用されてきたことからも、この書籍の『資料性の高さ』
が分かるはずである。
でも注意していただきたいのは、この書籍は「心霊写真鑑定云々」と言った内容ではない
ということだ。怪談や心霊写真集を期待してはいけない。
勘違いをして読むと肩透かしを食う人もいるはずである。
特に「病的ビリーバー」にとっては、面白みが少ない書籍だろう。
逆に冷静な研究者にとって、これほどありがたい書籍もあるまい。
各章それぞれが有益な資料であり、様々なヒントが隠されているのだから。
もちろん、「読む知識エンターティメント」としても楽しめる。
「日本で一番古い心霊写真とは?」
「心霊写真は元々なんと呼ばれていた?」
「何故、<写真を撮られると魂をが吸い取られる>といわれたのか?」
「あの有名な心霊写真事件はいつだった?」
「何故、あの写真はあんな騒ぎになってしまったのか?」
等、知識欲を満足させる事、間違い無しだろう。
心霊写真に興味のある方は、是非ご一読を。
- 作者: 小池壮彦
- 出版社/メーカー: 宝島社
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