コンビニ売りのオカルト書籍。

夏にもなると(今や季節問わず、といった趣だが)コンビニに怪談書籍を始めとして、様
々なオカルト系の商品が並ぶ。
少し前には「食玩扱い」のCDや怪談付きのキャンディーもあったが、今のトレンドはD
VD付きの雑誌らしい。
値段も手頃で手を出し易く、売っている場所がコンビニなので簡単に買えるのが、売りだ
ろう。


が、中には「季節商品ならではのクオリティ」なものもあって、油断が出来ない。
買ってみたら、「なんじゃこらぁ!!」と叫びたくなるものもあるのである。
まあ、それも楽しい人生経験、次からは絶対引っ掛からないぞ!と心に決めてみるが、1
年も経てばすっかり忘れて「またやっちまったー!!」と叫ぶのが毎年夏の恒例行事とな
っている。簡単に言えば「成長してない」ということなのだ。


しかし!しかし今年は成長したはずだ。だって、あんまり買ってないもの。
以下、その覚え書き。


今年はDVD付き雑誌が大量に出ているが、吟味に吟味を重ねた結果、
・怪奇巡礼DVD
のみとした。だって、他のはグッとこなかったのである。
DVD無しの雑誌系も幾つか見てみたが、それもスルー。
やっつけ仕事感漂い過ぎで、臍が茶を沸かして不可。心霊スポットやオカルトスポットを
扱ってはいるが、初心者にも物足りない内容だったしなぁ。
あとコミックは全スルー。新耳も稲川も桜も全部。あ、後、去年買ったコミックの続刊が
あったけど、それもスルー。立ち読みしたら顎が外れるほどダメだったので。
文庫系も一部を除きスルー。
いやはや、都市伝説物を扱ったものとかあったが、お鉢から湯気が出るほどコケた。
初心者向けでもマニア向けでもない内容の薄さと、D級臭さ漂う装丁・イラストに萎えつ
つ「よかった探し」をしてみたが、途中から根性試しの様相を呈してきたので止めた。
自分の我慢強さを試す為に、本を買うわけではないのだから。


なんだ、今年あんまり買わなかった理由って、簡単だったんだ。
『いいものが少なかった』からなんだな。
前は少しでも「いい」と思ったら買っていたけど、今年は…。
もちろん、いいものもあった。これは言っておく。
でも、それを上回る「低品質商品」が出回っているのだ。
季節商品でコンビニ向けだから、というのはいい訳に過ぎない。
直接の相手である、読者を舐めてはいけない、と思う。
担当編集が認めようが、仲間が書こうが、身内で褒めちぎろうが、最終判断を下すのは、
『読者』なのだ。それを忘れてはいけない。
自分の苦労を主張する前に、作品で主張する事。
それが、「正しい読者への挑戦」だろう。


こういう「利益・流行・やっつけ」商売を続けていたら、きっといつか市場が腐れてしま
い、また冬の時代が来る。
そうなる前に…………。